サイエンスカフェ「100%安全な食品がほしい!」に参加して

文部科学省が主催するサイエンスカフェに参加しました。サイエンスカフェって何? というのが参加の動機でしたが、今回のテーマ「食の安全」にも興味がありました。
サイエンスカフェというのは、お茶を飲みながら気軽に科学について語り合おう、というものだそうですが、まあ、こじんまりとした講演会というのが、今回の集まりでした。もちろん、飲み物を飲みながらです。約30人ほどの参加者だったので、質問の時間にも気軽に発言することができました。定期的に行われているようなので、興味のあるテーマに参加してみてはいかがでしょうか。参加は無料です。
文部科学省情報ひろば:http://www.mext.go.jp/joho-hiroba/
さて、テーマである「食の安全」についてですが、エコという話を聞いていくと、エネルギー問題、ゴミ問題、そして食の問題が必ず登場してきます。
政府側が主催する講演会ですから「現在、流通している食料は、安全ですよ」という話になるんだろうなぁとは漠然と思っていました。話のストーリーもその通りでした。ただ、その内容は、非常に分かりやすく理路整然としていてとても参考になりました。
今回、講師を務めたのは、東京大学名誉教授 唐木英明さんです。といっても私はこの方がどんな人なのかまったく知らないのですが、食の安全についてのスペシャリストのようです。ネットで検索すると、沢山の関連記事を読むことができます。
今回のお話を聞いた内容を私的にまとめてみます。忠実に内容を再現しているわけではありません。

1)人間はまず物事を直感で判断する傾向にあり、さらに良いことより悪いことに気を取られやすい。
→「●●は安全」より「●●は危険」という事の方に反応する

2)科学的に分析してみると何が安全で何が危険かが見えてくる。
→農薬混入の冷凍餃子問題で中国食品の危険性がクローズアップされたが、統計的に見ると中国食品も国内の食品も充分に安全なものになっている。そもそも餃子の件は犯罪であり中国食品の安全性の問題ではない。

3)天然の野菜は安全で添加物は危険という誤解がある
→添加物は、DNAに危害を加えるもの、残量するものは即禁止。
→それぞれの添加物は、薬のように体に影響を与える量に比べるとはるかに少量しか使われていない。
→天然の野菜や果物にも発ガン性物質と言われるものは含まれている。
  
4)発ガン性を高める原因は活性酸素と運動不足
→たばこ、食べ過ぎが過剰な活性酸素をつくりだし、ガンなど病気の原因になっている。
マスコミなどの過剰な報道により、我々は科学的根拠がないのに、危険だと思い込んでしまうことも多いようです。確かに、何で危険なの、と問われると確たる根拠をもって説明できることは少ないですね。
添加物は一方的に危険なものと思ってきましたが、そうでもないかもしれないとも思えてきました。自分が良いと思っていることも、悪いと思っていることも、反対の考え方も含めいろんな意見を聞いて、また可能であれば自分自信で調べてみることが大切なのだと、改めて考えさせられました。