2006年5月に発行された本を読んだ。表題から分かる通り、北朝鮮に拉致された蓮池薫さん奪還への経過を、兄透さんが著したものだ。
小泉元首相の電撃的な北朝鮮訪問で実現した5人の拉致被害者の帰国であったけれども、拉致問題は未だ解決されてはいない。なぜ、解決しないのか? その一端を垣間みれる本でもあった。発行から8年が立つが、今読んでも、意味がある本だと思った。
なぜなら、拉致家族会の度重なる働きかけにも、役人は知らぬ顔、政治家は口先だけ、国はほとんど動くことをしない実情が書かれているからだ。拉致家族会は、国内への働きかけに無力感を感じ、米国や国連といった海外へと訴えて行くことになる。なるほど、と、今更ながらに納得した。
次は、拉致された本人、蓮池薫さんの書いた「拉致と決断」を読んでみたいと思う。
私のおすすめ度:★★★★★