1993年の作品。1985年のデビューから8年が経過しています。「片想い」の深みを知ってしまうと、もの足りなさを感じてしまいます。2人のそれぞれのサイドから交互に話を展開し、どこでどうつながるのだろうかと考える序盤は、これはこれでおもしろい試みに感じました。しかし、結末あたりに深みが不足しているように思えます。それは失望ではなく、ますますこの人の作品を知ってみたいと思う動機付けになりました。「片想い」が2001年の作品なので、この人は進化する、新しい事にチャレンジする作家であることが非常に強く感じられました。デビュー作を読んでみたいと思います。
私の満足度:★★★☆☆