文庫本の解説を千街晶之(せんがいあきゆき)といミステリー評論家が書いています。その人が、演劇的な話だと書いています。それを読んで「なるほど」と思いました。別荘という限られた空間で、14名の登場人物が、話を進行していいきます。
演劇には詳しくありませんが、演出家によっていろいろな舞台が見られるのではないかと思いました。
それは、登場人物の心理描写があまり描かれていないからです。それぞれの登場人物の思惑をいろいろとひねって解釈できるのではないでしょうか。心の動きが読み取れない分、謎解きにも面白さが加わっています。
いつもながらに思うのですが、東野作品は、謎解きの面白さに加え、いろいろと考えさせてくれる、文学的な要素ももちあわせています。
余談ですが、ミステリー評論家という人がいるんですね。この解説もおもしろいですよ。
私の満足度:★★★★☆