東野圭吾初期の作品です。推理小説として真っ向勝負。トリック、そして犯人探しの展開、そこかしこにちりばめられた謎解きのカギ、シンプルに推理小説として楽しめる一作です。
ピエロとは人形のピエロのことなのですが、それが面白い使われ方をしています。登場人物たちよりも一段高いところに位置して、すべてはお見通しです。と言わんばかりの位置ではなく、まったく人と同じ物理的な目、耳をもった人形として描かれています。今で言えば防犯カメラみたいなものでしょうか。そう、人間的な防犯カメラですね。この役割も読む側の謎解きを難しく(?)しています。
十字屋敷のピエロ (講談社文庫)
私の満足度:★★★☆☆