今泉みね子さんの著作「ここが違う、ドイツの環境政策」を読みました。2003年の出版ですが、著者は10年ほど前からドイツのフライブルクに住んでいる方で、ドイツにおける、特にフライブルクにおける環境問題への取り組みを紹介しています。
ドイツは、京都議定書によって定められた、温室効果ガスの削減目標を着実に履行している国の一つです。
京都議定書におけるドイツの温室効果ガス削減目標は、-21%ですが、2003年ですでに19%の削減(※1)を達成しています。
※1:ドイツ連邦共和国日本総領事館ホームページより
日本は、-6%が目標値ですが、現在マイナスに転じるどころか、増加傾向にあるようです。1990年を基準にしている数字ですので、国によって、その時の排出量は様々です。ドイツは旧東ドイツの老朽化した工場の閉鎖などで数字を稼いでいる面もあるでしょうが、それにしても、大きく前進しています。
それは、いったいなぜなのか、非常に興味がありました。この本を読んでその一端を見ることができました。
成功している事例を取り上げて、下記のような内容が書かれていました。
1)ゴミを出さないようにしている&リサイクルよりリユースを優先
包装の簡易化
リユース瓶やリユース食器の使用
ゴミのリサイクル
2)自動車交通量の削減
自動車進入禁止ゾーンの設定
公共交通機関の充実と低料金化
3)再生可能(自然)エネルギーの推進
4)エコ農業やエコ建築の推進
5)森などの環境保護
6)子どもの頃からの環境教育
ドイツは、日本と同じ第二次世界大戦の敗戦国として、焼け野原から復興した国です。戦後、工業先進国として高度成長を遂げた点も日本と同じです。が、環境に対する危機感は日本人以上に持っているようです。
「次世代のために自然を守る責任がある」ことが、1994年、ドイツ基本法(日本の憲法にあたるもの)に明記されたそうです。
そんな気持ちの中で生まれた様々な事例は、とても興味深いものでした。なにか一つでも考え、取り込んでいきたいと思わされました。