久々に中澤さんとツーリング、奈良井宿を訪ねた。
9時頃の雨で出発はやや遅れたものの、その後は天気予報の通り、青空が広がった。気温もどんどん上昇したが、秋は着実深まっているのか、山陰はひんやりとした空気が漂っていた。
奈良井宿だが、僕の記憶では、遠く30年近く前に行ったような気がしているが、その記憶は定かではない。初めてと行っても言い。
関宿、馬籠宿を訪ねたことがこれまであるが、奈良井宿は、規模も大きく、全体の雰囲気もよく保たれ、タイムスリップ感覚に富む町並みだった。おすすめの宿場町と言える。ただクルマの往来はけっこう頻繁で、家の前の駐車も目立つ。現在も実際に生活されている家々であることの証明でもあり、その生活を維持しながら、これだけの景観を守り続けているのには頭が下がる。観光案内所で聞いたところ、クルマの往来に関しての規定はなく、あくまでも自粛をお願いしているのだそうだ。
上問屋史料館を見学し、こころ音でとうじそばを食べる。史料館は有料(300円)だが、貴重な建物を見学できるので、決して高くはない。一見の価値ありだ。とうじそばは、黒いそば(出雲蕎麦より黒く感じた)をキノコ汁につけて食べるのだが、蕎麦はぼそぼそ、汁も薄味な気がして、正直うまいとは思えない。雰囲気を味わうのにはいいのかもしれない。お姉さんは美人だったけど……。
また漆器が有名な場所で、お椀や箸を売る店が多かった。500〜600円で手頃なものがあったので、かねてから欲しかった汁椀を買った。安いなぁっと思ったのと、輸入品と値札に書かれていたので、店のおっちゃんに聞いてみると、「日本じゃ材料の木も手に入らないし、とてもこんな価格じゃできないよ。食べ物もそうだけで、今の日本は何でも海外に依存しているんだよ」と説明してくれた。店の奥には何千円のお椀が並んでいた。手にとると、椀の色つやはやはり別物だ。
R19は松本市街で渋滞する。帰路は、サラダ街道なる山沿いの道を走った。交通量は多かったが、野菜畑の中を走る気持ちのいい道だった。
松本を抜けてからのR19は、まだブドウ農園の直売所も多く店を開けていて、ブドウの甘い香りが漂っていた。来年はぶどう狩りもいいかなぁって思った。