つい数年前まで、年齢を感じることはほとんどありませんでした。まだまだ、まだまだと思っていました。でも白髪が増え、体重はじわりじわりと増え、ウエストのサイズがもどらなくなり、そして何よりもきついのが老眼の進行です。この本を読んだとき、あー、こういう気持ちの時代もあったなぁ。という学生時代の思いと、あー、こういう家庭が欲しかったなぁという羨望の思いとが交錯しました。
どちらも取り返しのつかないことです。でも、この小説を読んでいる間だけは、心地いい気分でした。小説ってそんなところがいいんだなぁと思います。本の中にもうひとりの僕がいる。しばし現実逃避をしているのかもしれないけど。
私の満足度:★★★★☆