構成の妙「半落ち」 2008年3月8日 横山秀夫という作家を知らなかった。ただ、テレビドラマになっていたのと、このタイトル名がどこかで頭の中に記憶されていた。単純に事件のなぞを解き明かしていくミステリー作品だと思って読み始めた。しかし、なぞときは、この小説のほんの一部の魅力でしかなかった。犯行は認めるものの、どうしても語ろうとしない部分を残す容疑者にかかわる人たちの心の動きがおもしろいのだ。時間軸の流れのなかで、語り部たる人物が変わっていく、この構成方法を絶賛したい。私の満足度:★★★★★半落ち (講談社文庫)