この小説を読んで、東野圭吾の全作品をすべて読んでみたくなりました。性同一性障害という問題をミステリーに練り込むことで社会に知らしめる。本格的な推理小説なのだけれど、この小説の素晴しさはストーリー展開の素晴しさよりも、このテーマを著者がうまく問題提起して、我々に伝えてくれているところではないでしょうか。事件が発生して、動機やアリバイ、そのトリックなどい工夫を凝らすだけじゃない、そんなところが素晴らしく感じられました。この展開なら何冊読んでも、飽きることがないのではないでしょうか。この男、単なるミステリー作家ではない。
私の満足度:★★★★★