昔一緒に仕事をしていた仲間が本を出したのでと、送ってきてくれた。「風まかせ」という雑誌に連載されたものをまとめた本で「風をあつめて、ふたたび。」という。
この連載の写真を担当している武田大祐という男と一緒に雑誌を作っていた。男気あふれる好青年だったが、今や40代も後半になっている。立派なカメラマンとして活躍していることは、当の昔に知っていたのだけれど、改めて見るとその素晴らしさにうなってしまう。独学で技術を習得し、自らの感性を存分に花開かせている。
この本のいいところは、もちろん写真だけじゃない。中部博さんのエッセイ的文章も実にいい。バイクツーリングの記事なのだが、おやじのライダー、いやライダーならずともおやじの心をぎゅっとつかんで離さない素敵な内容だ。各回のツーリングにはテーマがあり、その場所へ出かけるに至ったそのテーマが素敵なのだ。中部さんが訪れた場所へも行ってみたくはなるのだが、同じテーマで自分だけのツーリングをしてみたくもなる。
おやじライダーにはぜひ、ライダー以外の人にも、若者にも、女性にも読んで欲しい。バイクに乗ること、旅することに憧れを抱いてもらえるのではないのだろうか。
私のおすすめ度:★★★★★