松代象山地下壕

 小春日和。気温も20度を超えてウインタージャケットでは汗ばむほどの陽気だった。松代荘で一風呂浴びて、すぐに帰るのはもったいないので、これまで一度も足を伸ばしていなかった「象山地下壕」へ行ってみた。

 代官町駐車場にバイクを止めて、徒歩7分。象山神社から山寺常山邸へと続く一本山側の通りに入ると、路面も整理され、城下町の雰囲気を漂わせる。
▲左側が山寺常山邸

▲左側が山寺常山邸

▲建物としては、門の部分と昭和初期に建てられた書院のみが残っている。昭和らしさを漂わせる縁側のある建物が落ち着く

▲山寺常山邸は、門の部分と昭和初期に建てられた書院のみが残っている。昭和らしさを漂わせる縁側のある建物が落ち着く

 そんな落ち着きのある場所から100mほど先に戦争遺産はある。

 象山地下壕は、第二次世界大戦の末期、本土決戦に備えて大本営をここに移そうと作られた地下壕で、碁盤の目のように壕が掘り巡らされている。パンフレットによれば、その延長は10kmにも及んでいるという。見学できるのは、その中の500m、豪の雰囲気を感じるには十分な長さだ。人海戦術で掘られたというが、広さは十分で、これほどまでに大きなものとは想像もしていなかった。
▲入り口は頭がつかえそうなほど低いのだが

▲入り口は頭がつかえそうなほど低いのだが

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▲横幅4m、高さは2.7mの壕が

 こんな地下にもぐり、アメリカを相手に闘おうとしたのかと思うと、恐ろしいものがある。大戦末期の混乱、今でも大きく変わっていないのかもしれないが、国同士の紛争を戦争で解決しなければならなかった時代の恐ろしさを感じる。

 城下町の情緒を残す松代に、異彩を放つ戦争遺産は、永く残すべきもののように思う。