エネルギーの話

低炭素社会実現に向けてエネルギー問題が一番の課題のようです。
今世紀中に石油や石炭が枯渇すると言われていますが、エネルギーの供給源の85%を化石燃料に頼っているのが現状です。
(資源エネルギー省資料:
 http://www.enecho.meti.go.jp/info/statistics/jukyu/result-1.htm
これから、頼れるエネルギーは、原子力か水、風、地熱、太陽などの再生可能エネルギーになると思われます。どうしても原子力には被爆国の国民のひとりとして毛嫌いする部分があるのが本音です。
反原発運動には、無条件で賛同したくなる方です。しかし、現実にエネルギーが必要になると目をつむるわけにはいかない問題です。そこで、原子力についての本を読んでみました。
「ほんとうは、どうなの? 原子力問題のウソ・マコト」
         上坂冬子著 PHP研究所刊
「原子力のいまがキチッとわかる本」
         吉田八束著 オーエス出版社刊
の2冊です。ともに原発推進派の立場に立つ本です。
「ほんとうは……」は、今年お亡くなりになった上坂さんが、原発に関係する人々の対談をまとめたものですが、上坂さんのあまりにも性急な「原発はぜったい必要ですよね」論調に、逆に推進派の対談相手が「まあ、そうはなかなか……」っという感じでブレーキをかける場面があるのが、おもしろい本でした。
この本の中で、感心したのは、中曽根元総理が、1954年原子力発電のために国家予算を初めて確保したことです。日本の将来に大切なのは食料とエネルギーだという、非常に的を射た考え方を持ち、被爆国日本においえ、日本の未来のために動き出していたことです。
もすうぐ選挙ですが、世論の批判を浴びてもいい、日本の将来にはこれが絶対必要なんだ、という気概にあふれる政治家を選びたいものです。できれば、ただしい方向に向かってくれる人を。
「原子力の……」は、技術的な面から原発の必要性を説いた本です。原発はこんな危険もあるけど、これだけ安全対策が施されているから安全なんだ。という内容です。
確かに運転中は安全なのかもしれませんが、使い終わった燃え残りの処理など、納得のいかない部分がありました。将来のために原子力を使うのに、何万年と放射能を出し続ける、使い終わった原子力発電の燃料を地中深く埋めておこうというのです。それって危ないってことだろ……、とひとりツッコミをしてしまいました。
一方、再生可能エネルギーの本としては、
なぜ、日本が太陽光発電で世界一になれたのか
  独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構 発行
これを読むと、バラ色の未来が見えるようでした。太陽光発電は、現在数%ですが、こっちにやっぱり一票投じたくなりました。
政府は2050年に向けたビジョンを先日発表しています。
原子力発電は現状をほぼキープ、太陽光などの再生可能エネルギーを何十倍にも増やしていこうと考えているようです。
各家庭はもちろん、雑居ビルも工場も、屋根も窓もソーラーパネルで囲まれる時代も、そお遠くはないようです。