信州ワンデーパスの旅

 3連休が取れた。久々に旅気分を味わおうと、義父の墓参りを兼ねて諏訪湖あたりを巡ろうと考えた。電車の時間を調べていて「信州ワンデーパス」なるものを発見した。南は辰野まで、普通列車なら1日乗り放題で2,640円(特急とかにも特急料金を払えば乗車可能)。お墓があるのが、伊那街道の宿場町の小野なので、辰野まで行ければ十分。ここまでの片道運賃が1,490円なので、断然お得だ。これで、諏訪あたりを巡ろうと考えた。

 午前中に墓参を済ませ、あと諏訪観光をと考えたが、午前中に小野まで行く、適当な普通列車がない。そこで、まず諏訪で時間を潰し、昼頃小野、その後松本にでも行こうと考えた。大まかな予定で、まず、諏訪に行く普通列車の時間を決めた。

6:55 長野発

8:02 松本着
8:10 松本発

8:46 下諏訪着

 下諏訪駅に着くと改札で、万治の石仏が出迎えてくれる。さっそく「諏訪大社下社秋宮(すわたいしゃしもしゃあきみや)」へテクテクと移動。国道20号の交差点からの参道は随分ときれいになった印象だ。ただ、秋宮は変わらぬ佇みを見せている。

 秋宮の次は、「万治の石仏(まんじのせきぶつ)」を目指す。確か社殿のそばにあったような? だが、境内からの案内は見当たらない。どうやら1kmぐらい離れているようだ。大きな記憶違いで、万治の石仏は「諏訪大社下社春宮(すわたいしゃしもしゃはるみや)」の隣だった。歩いて移動すれば、次の予定の電車に間に合うかどうか微妙な時間だったが、急ぐわけではないので、旧中山道をトボトボと歩き始めた。

 予定の朝湯は、「遊泉ハウス児湯(ゆうせんはうすこゆ)」。朝5時30分からやっている。温泉の歴史は古いが、昭和62年に建てられた共同浴場(入浴料230円)で、受付におばちゃんがちょこんと座っていて、昭和の雰囲気を残す共同浴場だが、タイル張りの浴槽に趣はない。無味無臭の透明な湯で、やや熱め。ただ、ささやかに設けられた露天風呂の湯は温い。朝から重い雲が立ち込めて、急激に冷え込んだ日だったので、温泉のぬくもりに元気をもらった。

 元気復活、テクテクと旧道を歩く。新しい住宅が並んでいるが、中には中山道の趣を残す建物も残り、途中諏訪湖を見下ろせる場所もあった。

 春宮は工事中。社殿の構成は秋宮とほぼ同じだ。参拝後は万事の石仏へ。願いを唱え3度回った。万事を治めてくれる仏様なのだ。

 ここで、次の電車まで15分程。まあ、昼でも食べてから移動すればいいし、次の電車で行こうと、急がずに諏訪湖に真っ直ぐに伸びる参道をテクテクと下り下諏訪の駅を目指した。で、秋に戻ると、まだ11時前で食堂が空いていない。そこで、整備されたためになくなちゃったんじゃないかと心配になった「菅野温泉(すげのおんせん)」を探しに行くことにした。

 菅野温泉は、昔のままに残っていた。屋根付き通路の中の入口、レトロな番台、楕円形のタイル張りの浴槽。すべてがいい感じ。玄関先で掃除をしていたおばちゃんもいい感じで年季が入っている。時間までここで温もった。

11:37 下諏訪発

11:52 塩尻着
12:13 塩尻発

12:23 小野着

 今日の目的である墓参のため小野に移動する。が、時間も時間、お腹が空いてきた。駅前を降りたら、もう一つの目的である駅前の「タイガー食堂」を目指す。だがしかし、なななんと今日は定休日! 前回、昼を過ぎて休憩時間になっていて入れなかったので時間を合わせてきたのに。仕方なく駅の真前の「みさき食堂」へ。ここで名物だという「レモンラーメン」を注文した。これがなかなかさっぱりと美味しいラーメンで、残念な気持ちはグッと和らいだ。

 いつものスーパーで供える花とお酒を買って墓参。もう一つ用事を済ませて帰路に着く。まだ、時間が早かったので、再び諏訪の温泉につかつことにした。今度は上諏訪駅をおりて、千人風呂で知られる「片倉館」を目指した。

14:31 小野発

辰野経由

15:00 岡谷着
15:43 岡谷発

15:53 上諏訪着

 上諏訪駅に着くと、まっすぐに片倉館へ。ここは、湯には魅力は感じないが、この諏訪の歴史の証人とでも言えるこの外観と玉砂利が敷かれたプールのような浴室が魅力だ。1階に浴室があり、2階が休憩室なのだが、外観や浴室は洋館的雰囲気なのに、2階の休憩室は畳敷きで、和風なのも面白い。2階のテラスからは諏訪湖を一望できる。

 湯から上がると、2階のテラスから陽が沈もうとする諏訪湖を眺めた。諏訪湖の湖岸は道路を挟んですぐなので、湖畔にも行ってみた。夕暮れの寂しさが漂っていて、我が家が恋しくなったところで帰路に着いた。満足できる1日だった。またいつか、信州ワンデーパスの旅をやってみたい。

17:47 上諏訪発

19:31 長野着