白夜行は幻夜の続編だとも言われています。本人は否定も肯定もしていないようですが。
私は、幻夜を先に読んでしまいましたが、2つの作品が繋がっているというよりも、2つの作品が似ているという点で、結びつきを感じました。ともに強烈な上昇志向を持つ女性が、手段を選ばずに、次々と階段を上り詰めていくドラマです。
ステレオタイプに勧善懲悪ものに安心感を持つ私は、この2つの小説に不快な気分を持ちながら読み進みました。なんて子供なんでしょう。すでに幻夜で、それを味わった私は、白夜行では、途中で読むのをやめようかと思ったぐらいです。
そう感じたのは、ちょうど話の真ん中ぐらいでした。しかし、ストーリーは、ここからが面白かった。後半こそ、白夜行の素晴らしさがあります。3連休の夜を満喫させてくれた一冊です。
私の満足度:★★★★★
さて、白夜行の続編が幻夜であるのかどうか。これについて、分析されたファンサイトがあります。
http://from1985.pekori.to/keigotaku/byaku_gen/byaku_gen.html
内容に言及している部分も多いので、両作品を読んだ後に、ぜひのぞいて見てください。
ちなみに、私の答えは「繋がっている」です。その理由は単純です。それぞれ単独で読んでも十分におもしろい作品を、明らかに続編であるという表現がまったくないのに、それをつなぎ合わせて解釈できるように小説にする方がはるかに難しいと思うからです。
いろいろな試みにチャレンジする東野圭吾だから、ぜったいにそう思うのです。読者の勘ですが…。