■ストーリー
犯罪現場に残された犯人のDNAから、犯人を割り出すコンピューターシステムが完成する。そのシステムが確実に実績を上げていく。しかし、どうしてもそのシステムから犯人像が特定できない案件が発生する。当初は、データーベースにインプットされたデータ数が足りないためと考えられていたのだが……。
■書評
いかにもありそうな、いやこれからそうなりそうな予感をさせる想定なのだが、これまで感じてきた東野圭吾的な斬新さには及ばないような気がした。それはなぜなのか、と考えるとやっぱり「いかにもありそうな想定」が原因ではないかと思う。
もう一つアナログとデジタル、理性と感情、過程と結果、的な対比がテーマとして隠されているように思うけれど、それも想定の範囲内という感じだ。
ミステリー小説としては十分な完成度を備えているのだけれど、その域を超えるところはない。ちょっと厳しめの感想になってしまったけれど、後半は一気に読んでしまった。十分に面白い作品だ。
プラチナデータ (幻冬舎文庫)
私のおすすめ度 ★★★☆☆